
注文住宅で全館空調を検討したい。メリットは?デメリットは?どんな生活スタイルなら全館空調にするべきなんだろう?
という疑問に答えます。
注文住宅を建てるなら、空調は全館空調にしたいですよね。最近流行ってますし、何よりメリットはたくさん。室温を均一にすることで、いつでもどこでも快適に過ごせてヒートショックなんかのリスクも減らしてくれるから。でも、気になるのはメリットだけじゃなくデメリット。せっかくの全館空調を導入しても恩恵が薄かったり、返ってデメリットが目立って失敗、なんてことになったら元も子もありません。
この記事では、2020年8月にハウスメーカーと契約した筆者が夢にまで見た全館空調を導入する過程で学んだメリット・デメリットをご紹介します。実際に私の場合はこんな理由で導入を決めました。という事例の一つとして参考にしてみてください。読んでいただければ全館空調を導入したほうが良いと思われる生活スタイルがわかります。
- 全館空調のメリット
- 全館空調のデメリット
- 全館空調に向いている人
全館空調のメリット
全館空調のメリットは以下の通りです。
- 家中が一定温度で快適
- トイレや洗面所も快適
- 吹き抜けを気兼ねなく作れる
- 壁にエアコンがないためスッキリする
- 室外機が少ないため外観がスッキリする
- 高機能な製品は加湿・除湿・消臭も付く
家中が一定温度で快適
全館空調は家全体を温度管理するシステムです。いつでも一定温度に維持できるため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせることが最大のメリットです。ペットを飼っているお家は部屋の温度を一定保つ必要があるからとても便利です。実際に私はウサギと熱帯魚を飼ってい流のですが、ウサギは常に25度に、熱帯魚も20〜26度くらいまでに保たなければならないため、一年中エアコンを付けています。全館空調ならこの年中つけっぱなしの感覚で家全体の温度管理ができるのでペットのお家には最適です。
トイレや洗面所も快適
全館空調はトイレや洗面所も温度管理ができます。暑い夏、寒い冬のお風呂あがりには最高に快適な機能です。想像してみてください。真冬の冷え切った洗面所、せっかくお風呂で温まったのに凍える洗面所で身体を拭く。冬のお風呂で起きてしまう「ヒートショック」を防げるということもメリットの一つです。居室以外も温度管理ができる点が全館空調のメリットです。
壁にエアコンがないためスッキリする
全館空調は居室の壁に大きなエアコンをつけることがありません。だから壁がとてもスッキリ。吹き出しの方向を考えて取り付け箇所を考えなければならないなんてことはありません。それにエアコンをつけた箇所に本当は窓を付けたかったのに、なんてこともありません。壁にエアコンの存在感がないだけで、部屋もスッキリ、お洒落度も加速します。
吹き抜けを気兼ねなく作れる
全館空調なら吹き抜けを気兼ねなく作れます。吹き抜けのデメリットの一つを克服できるからです。吹き抜けは一般的に、冬の寒気が降りてきたり、夏の冷気が上階に抜けてしまったりで、温度管理の難しさがデメリットとして挙がります。全館空調なら吹き抜けを設置しても温度管理に悩まされずに済みますので気兼ねなく作れる事がメリットとなります。
室外機が少ないため外観がスッキリする
全館空調は室外機の数が1〜2台と少なくなります。これはかなり重要で、室外機が少ないということは室外機へと繋ぐパイプもありません。室外機ってその物自体とパイプの存在感が大きいから、個別空調だと取り付け箇所によっては家の真正面に室外機が来てしまったりで、外観がかなり悪くなります。見た目にはこだわらないって人でも室外機の場所は侮ってはいけません。実際に私は、隣家の窓に室外機の風が当たってトラブルになったなんてことも目の当たりにしましたし、トラブルを避けるため室外機をずらして設置したら、余計に費用がかかったなんてことも経験しています。室外機が少なく、家の目立たない場所に設置する事ができるのも全館空調のメリットです。
高機能な製品は加湿・除湿・消臭も付く
全館空調は高機能になれば加湿・除湿・消臭機能も付いてきます。加湿器や除湿機は不要。一般的な家庭用エアコンだと加湿器・除湿機はプラズマクラスターなどで床置きしてますが、これが不要。空気清浄効果を全館に対して効かせますので花粉症やアレルギーを持っている人には最適。単なる温度調整以外の機能も付いていることは全館空調のメリットです。
という感じで、全館空調には素敵なメリットがたくさんです。ひるがえって全館空調のデメリットはどんな感じでしょうか。実はデメリットも結構あるのでご紹介します。
全館空調のデメリット
全館空調のデメリットは以下の通りです。
- 電気代がかかる
- 設置コストが高い
- 機械を置くスペースが必要
- メンテナンス費用がかかる
- 気軽に買い換えることができない
電気代がかかる
全館空調のデメリットはほとんどコストにまつわることです。第一番目は電気代です。全館空調の電気代は一般の家庭で使われている空調とほぼ同じです。ただし、ライフスタイルによって電気代が重くデメリットとなります。例えば、外出が多い家庭や広くないアパートから引っ越してくる家庭は、そもそものエアコンの稼働時間や全体の光熱費の前提が違うので電気代が重くなるでしょう。エアコンの稼働台数や稼働時間によって、電気代の負担が重くデメリットになります。
設置コストが高い
全館空調の設置コストは一般的に100万円〜200万円です。個別空調が1台あたり10万円程度と考えると10台〜20台分に相当しますので、かなり高額と言えます。快適さと引き換えに、設置には相当なコストがかかりますのでデメリットと言えます。
機械を置くスペースが必要
全館空調は機種によりますが、室内に機械を設置するスペースが必要です。タイプによって、床置きで半畳ほどのスペースを取るものや、小屋裏に設置するものがあります。全館空調を設置することにより、部屋が小さく、収納が狭くなる可能性がありデメリットと言えます。
メンテナンス費用がかかる
全館空調の中には、デフォルトでメンテナンンス契約が組み込まれているものがあります。年間数万円を支払って定期的に点検やメンテナンスを要するシステムは費用面でデメリットとなります。ただ、最近ではメンテナンス契約不要で、個人でもメンテナンスができるシステムもありますので、タイプによって変わってきます。
気軽に買い換えることができない
全館空調は個別空調と違って気軽に買い換えできません。家中にダクトが張り巡らされており、故障した際に全館空調をやめて個別空調に変更すると言ったことも現実的ではありません。全館空調は使い続ける事が前提となります。また、最近になって導入されるケースが増えていいますので、これからの技術革新でより効率的で効果的な新しい全館空調システムが出てきたとしても気軽に買い換えられないことはデメリットです。個別空調なら故障したらより電気代の安いエアコンに買い換えれば良いだけなので、この点大違いです。
全館空調に向いている人
メリット・デメリットを踏まえて、全館空調に向いている人は以下の通りです。
- 予算に余裕がある人
- 家で過ごす時間が長い人
- エアコンをつけっぱなしの人
- ペット等で温度調節が必要な人
予算に余裕がある人
予算に余裕があれば全館空調をつけない理由は少ないです。余程の理由がない限りつけるべきかと思います。なぜなら電気代を気にせずにメリットだけを享受できるからです。家中が年中快適な温度で過ごせて、壁には邪魔なエアコンがなく、外観も室外機やパイプが目立たずスッキリする。導入しない理由はありません。予算に余裕があれば全館空調は入れるべきです。
家で過ごす時間が長い人
全館空調は家で過ごす時間が長い人に向いています。メリットを享受できる時間が長ければ長いほど効果的だからです。例えば、私のように妻が専業主婦だったり、在宅ワークが多い人。在宅の時間が長ければ長いほど、全館空調のメリットを享受する時間も長くなります。家で過ごす時間が長い人に全館空調は向いています。
エアコンをつけっぱなしの人
全館空調は普段からエアコンをつけっぱなしで生活している人に向いています。エアコンのオンオフでこまめに電気代を節約する人には向かないからです。暑い日中はエアコンをつけて、暑さが和らぐ夜間は扇風機のみ。といったスタンスの人には向きません。一般的にもエアコンはオンオフを切り替えるよりもつけっぱなしの方が電気代がかからないと言われています。エアコンをつけっぱなしで生活する習慣の人には向いていますが、つけっぱなしに抵抗がある人には向きません。
ペット等で温度調節が必要な人
全館空調は室温に敏感なペットを飼っている人に向いています。ペットは温度に敏感だからです。ウサギは室温25度を守っていないと体調を崩してしまい最悪しにいってしまうほど温度には敏感な生き物です。ペットに酷暑や厳寒は酷です。ペットを愛し、快適に過ごさせてあげたいと望む人には全館空調は向いています。
全館空調のメリット・デメリット【まとめ】
全館空調は改良も目覚しく住宅空調のスタンダードになっていく可能性があります。ネックである初期費用やランニングコストも改良とともに下がっていくものと思われます。家づくりの中でどこにお金をかけるのか?個人的には「コスト」「内装」「外観」「快適さ」を総合的に勘案して導入することに決めました。導入するに当たって、ネックである電気代の部分は、太陽光発電を安く導入する事ができた事が決め手となりました。ハウスメーカーによって、様々な角度の提案があるかと思いますので、一つの選択肢としてご自身の価値観に応じて全館空調は検討しても良い設備だと感じています。



