本日(2020/1/15)の日経新聞にマリオが目指すミッキー流という記事がありました。2020年夏、USJにスーパーニンテンドーワールドがオープンするとの内容のものです。
スーパーマリオは世界的にも人気のコンテンツでありオープンが待ち遠しいのですが、どうやらこの記事はスーパーニンテンドーワールドのオープンを待望するというよりは、テーマパーク事業の先駆者であるウォルトディズニー社のメディア戦略にスポットを当てているようです。
誰もが知るウォルトディズニー、そのメディア戦略に注目しました。
巨大メディアコングロマリット
ウォルトディズニーといえば東京ディズニーランドやディズニーシーのようなテーマパーク事業が日本では知られていますが、そのテーマパークを彩るキャラクターたちの活躍する映画事業も主な事業の一つです。
中でも近年注目すべきは優良コンテンツを所有するテレビ・映画事業を次々に買収していっていることです。
2006年にトイストーリーで知られる『ピクサー』、2009年にはアベンジャーズ シリーズの『マーベルエンターテインメント』、2012年スターウォーズで知られる『ルーカスフィルム』、そして2019年より傘下入りしたエックスメンシリーズで知られる『20世紀フォックス』などが次々と傘下に入りました。
また、テレビネットワークの『ABC』、スポーツ専門チャンネルの『ESPN』もディズニー傘下ですし、動画配信サービスの『Disney+』『ディズニーデラックス』『Hulu』も傘下でサービス展開しています。
まさに右を向いても左を向いてもディズニーといった様相で、様々なメディア企業を傘下に収めることで自社のもつ優良コンテンツをグループ横断的に活用することで、視聴者を囲い込んで離さないのです。
大成功したアベンジャーズシリーズのユニバース展開
記憶に新しいのが2019年公開された『アベンジャーズ /エンドゲーム 』の大ヒット。それまで1位だった『アバター』の興行収入約28億ドルを抜いた快挙です。
アベンジャーズ シリーズは『MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)』と称された2008年公開の『アイアンマン』から始まるクロスオーバー作品であり、フェイズ1からフェイズ3までの映画作品23作で11年に及ぶ巨大ユニバースとなりました。
『アベンジャーズ /エンドゲーム 』の魅力の一つはアイアンマンやスパイダーマンといった様々な単体映画の主人公級ヒーロー達が一堂に会するところであり、ユニバースの集大成でもありました。
ドラマシリーズとの連動性
『MCU』は2020年から始まるフェイズ4以降は動画配信サービス『Disney+』でのドラマ配信と劇場公開の映画によって構成されます。
2020/5/1 『ブラックウィドウ』(映画)
2020年秋 『ファルコン&ウィンターソルジャー』(ドラマ)
2020/11/6 『エターナルズ』(映画)
2021/2/21 『シャンチー』(映画)
2021春 『ロキ』(ドラマ)
2021春 『ワンダ・ヴィジョン』(ドラマ)
2021/5/7 『ドクターストレンジ2』(映画)
2021夏 『What if …?』(ドラマ)
2021秋 『ホークアイ』(ドラマ)
2021/11/5 『ソー3』(映画)
フェイズ1からの登場人物を主人公とした単体映画やスピンオフドラマで構成されており、その作品同士が連動性を持っていることが既に発表されています。
『キャプテンアメリカ』からはファルコンとウィンターソルジャー、『ソー』からはロキ、『アベンジャーズ シリーズ』からはワンダとヴィジョンがそれぞれ主人公として動画配信サービス『Disney+』に登場することになります。
『Disney+』とは?
『Disney+』とは2019/11/12にアメリカ・カナダ・オランダで開始され、翌11/13には加入者数が1,000万人を超えた動画配信サービスです。
映画500本超、TV番組7,500超、オリジナル作品10本超のラインナップで、2020/1/15にはモバイルアプリのダウンロード数が約4,100万件を記録したと発表されました。
今後のディズニーの複合メディア戦略の要であり、『MCU』作品の他にも、スターウォーズシリーズのスピンオフドラマ『マンダロリアン』が既に配信されており、今後もオビワン・ケノービを主人公としたスピンオフドラマの配信などが予定されています。
メディア企業としてのディズニーの未来
ディズニーのメディア戦略の強みは、コンテンツを複合的に活用して視聴者を飽きさせず、次々と新しいコンテンツに誘導して囲い込むところにあると言えます。
2020年は『5G』元年。競争の激しい動画配信サービスの中では後発と言えるディズニー。しかし、巧みな囲い込み戦略でテーマパーク事業だけじゃないディズニー社、今後も大きく期待できそうです。
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